HypergryphおよびGRYPHLINEから1月22日にリリースされた新規タイトル『アークナイツ:エンドフィールド』。執筆時点でのGoogle Playストアの評価は★3.8となっており、戦闘や冒険といった要素を主軸とする以上に味付けの濃い「工業シミュレーション」の要素がユーザーの間で感想を二分するレベルとなる完成度の高さで話題となった。
そんな同作において奇妙なミームが生まれつつある。それが「80m」という数字にまつわるものである。今回の記事ではアークナイツ:エンドフィールドそのものにも触れながら、この奇妙な数字を追いかけてみる事にしよう。

あと一歩が足りない80m
今回話題となっているのは、同作に実装されている電力供給システムの仕様に由来するものだ。このゲームは電力源となるコアから、中継タワーという設備を経由して、様々なオブジェクトに電力供給を行っていく。各地に散らばっている電力供給を必要とするオブジェクトを動かすためには、その付近まで中継タワーを設営する必要があるのだ。
この中継タワーは電力供給源、あるいは中継タワー間をケーブルを使ってコネクションしていくことで電力の供給ラインが完成する。ケーブルを敷設するモードに移行すると、プレイヤーキャラクターが歩いた距離分だけケーブルが追従して伸びていく。そしてケーブルの距離限界が「80m」という距離なのである。
それならば無尽蔵に中継タワーを置けば良いのではないか?と思う読者もいるだろう。ところがそうは問屋が卸さない。中継タワーはエリア全体を通して設置出来る個数が決まっており、エリア全域で効率的に配置を行わないと上限に到達してしまう問題が発生するのである。各所で自動採掘出来る素材の電力消費も負担になるため、そうそう無駄に置くことは出来ない。その上中継タワーを作成する素材も、手に入れやすいとは言え序盤は加工までやや時間の掛かるものである。できる限り節約と効率を両立したいプレイヤーが取るのは「ギリギリの位置に中継タワーを建てる」という選択だ。
では「ケーブルを伸ばしつつ、80メートル付近にタワーを建てれば良いのでは?」と思った読者は勘がいい。実はこの中継タワー設営のチュートリアルに勘違いの元が潜んでいるのだ。チュートリアルでは中継タワーを建築してから、電力源からケーブルを引っ張ってくるという手順で給電方法を解説している。だが実はケーブルを延長するモード中にも中継タワーを建てる事が可能なので、ケーブルが70メートル程の距離に伸びた時点でタワーを建てれば良いのだ。厳密な短縮こそ難しいかもしれないが、おおよそ最大限の範囲でケーブルを伸ばす事が出来るのだ。

これで安心といえばそうなのだが、それでも限界を突き詰めたいプレイヤーというのはいるものだ。80mギリギリを目指して「80.1m」という表記が出て、ケーブルが接続できないときの絶望感もまた凄まじいものである。ギリギリを攻めるのは良いかもしれないが、出来ることならタワー建設前にケーブル長を確認する事をオススメしたい。筆者もギリギリを攻めようとして苦渋を舐めたクチである。
なおこの珍妙な事態はSNS上で大いに話題となっており、エンドフィールドをモチーフにしたイラストや動画では結構な割合でこの80m問題がネタにされている。ユーザーにとっては痛し痒しの歯痒さを覚える仕様なだけに、共感を得やすいのだろう。
ヘンテコな略称でも有名になるエンドフィールド
また本作は他の話題にも事欠かない。ソーシャルゲームはだいたいが略称で呼ばれる事が多く、たとえばアークナイツであれば「アクナイ」、崩壊:スターレイルであれば「スタレ」、ゼンレスゾーンゼロであれば「ゼンゼロ」、プリンセスコネクトであればいずれも「プリコネ」など、3~4文字の略称が一般的だ。本作は「アークナイツ:エンドフィールド」と名前が長く、インストール後のアプリアイコンもエンドフィールド表記と少々長い。そこでSNS発で生まれた略称が「ンィー」、転じて「ンィー゛」である。
公式で用いている略称は「AKE」なのだがこちらは余り浸透しておらず、略称が定まるまでは「エンフィ」「エンドルド」「ンドフィー」など、これまた若干珍妙な略称が跋扈していた。アクナイと略してしまうと前作と同様になってしまうし、エンドフィールドの中から四文字抜き出すというのもなかなかに難しい。結果としてなんとも気の抜ける略称が広まりつつあるのは、仕方のない様式美の様なものなのだろう。なお「ンィー゛」は「ンィー」を力強く発音する事で表現できるとか、出来ないとか。
もっとも、この手の名前自体に前例がないわけではない。スーパーマーケット「ショッパーズ長浜店」に掲げられている看板の文字部分の一部が脱落した結果「ンョ゛ハー゛」という奇妙な表記となった事が話題となり、同店の知名度がネット上で一気に伸びたという事例がある。変わった名前もそれはそれでユーザーからの愛着の現れなのだろう。
駆け出しから色々な話題を振りまくアークナイツ:エンドフィールド。前作アークナイツはシナリオが進むに連れ陰惨な雰囲気が強まる作風であったが、このタイトルはどうであろうか。ユーザーが盛大に茶化すのは、興味と期待を込めたものなのだろう。
最終更新日: 2026年2月3日 15:25