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コンポジットをHDMIへ変換する機器が発売 吉と出るか凶と出るかはユーザー次第

 1月21日、サンコー株式会社 (所在地:東京都千代田区、代表取締役:荒井太智)は『コンポジットをHDMIへ変換するアダプタ』を発売開始した事を告知した。同製品はサンコー公式オンラインストア、直営店、取扱店、ECサイトなどで販売されるとの事である。この独特なガジェットについて掘り下げると同時に、レトロゲームのプレイ事情についても見てみよう。

意外とありそうでない「コンポジットケーブルをHDMIへと変換する」製品

 この製品は読んで字のごとく、レトロゲーム機やビデオデッキなどのコンポジット信号を出力先とするケーブル(赤・白・黄)を、HDMI信号に変換して出力できる映像変換アダプタである。どういうものかというと、ゲーマーにとっては見覚えがあるかもしれないファミリーコンピュータやスーパーファミコン、場合によってはPlayStationやニンテンドウ64といった機器に元から付いている、映像出力用のケーブルがコンポジット出力対応のケーブルだ。

 この製品の需要先として挙げられるのが、近年増えているアナログ端子非搭載のテレビやモニターである。現在生産されている主なモニターはHDMIのコネクタがあり、少々古い型番であればDVIのコネクタも付いている。ただしこれより前のコネクタを装備しているモデルは、現状かなり稀な状況だ。そういうテレビやモニターであっても、本製品を接続するだけで懐かしの映像機器が使用可能になるというのが特徴だ。

 製品の接続設定はかなりシンプルだ。ドライバーや複雑な設定を必要とせず、ケーブルを双方に差し込む事で使用できる。ただし外部電源を必要としており、電源はUSB給電式(5V/2.0A)で、PCやUSB充電器から手軽に給電可能。本体側面に切り替え式のスイッチが付いており、出力出来る解像度は1080pおよび720pに対応している。持ち運びやすい約30gの重量、幅68mmの超小型設計で配線をまとめるアダプタとしても機能する。

 「押入れに眠るレトロゲームを大画面で遊びたい」「思い出のVHSテープをもう一度見返したい」というニーズを満たしたいユーザーにおすすめの『コンポジットをHDMIへ変換するアダプタ』というのが本製品だ。希望小売価格も5,980円と、この手のコンポジット変換形式の製品の中では国産品として最安の設定となっている。1000円~2000円台では海外産の製品こそあるが、アフターケアなどの面を考えた場合には国内メーカー製製品に軍配が上がる事になる。また他メーカーではソニーなどが同タイプの製品を出しているが、これは7000円台とここから少々値が張る事になる。そのため選択肢として本製品を選ぶ価値は大いに有り…と言いたい所であるが、ここからはこの製品では手の届かない痒い所を見ていこう。

コンバート対応機器の問題

 まずこの手の製品の映像入力側はコンポジット信号対応のケーブルであるが、この規格は映像出力向けとしては画質を含めて余り鮮明さに期待できない。機器によるがS端子、PlayStation2以降であればD端子の出力に対応しているコンバーターの方がクリアに映像が映る事になる。次に解像度の問題だ。現在のテレビやモニターについては解像度が16:9の割合で設定されている事が多い。そのため「1280×720」もしくは「1920×1080」といった具合となるが、レトロゲームソフトは大体の解像度が「4:3」である。つまり「640×480」もしくは「800×600」辺りの解像度であるため、これを無理やり横に引き伸ばし、拡大表示させる可能性が高い。

 更にこの手のレトロゲームは、インターレースという横方向に線が段々に表示される形式が多い。これはブラウン管に対して最適な映像の表示方法であるのだが、昨今の液晶などではこの表示を行うと縞模様のように見えてしまうため、これを解除する必要が出てくる。この解除機能については、取扱説明書などに注意書きがなされていないため、また別の機器を介して解除処理を行うしかない。

 そしてコンバーター共通の問題として、映像を変換し出力する都合上、操作に遅延が発生する可能性が見られる。これがノベルゲームなどであれば良いが、アクション系やレース系の様なタイトルであれば話は別である。入力遅延を抑えるならば、より高性能なコンバーターが必要だろう。

 よくも悪くも、この製品の最大の利点と欠点は「値段相応」である可能性は高い。エントリーモデルとしては悪くないだろうが、最適な環境でレトロゲームを遊びたいというユーザーにとってはなかなかに厳しいものだろう。最も、こういった需要が出るのはメーカー側が最新機器に対応する為のリマスタリングやリメイクといった事を行いさえすれば解決する事が多い。現代の環境でゲームを楽しく遊ぶためにも、最新の映像出力と互換性のある公式機器が出てほしい所だ。

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尾崎 信也
1986年神奈川生まれ。ゲームニュースエディター。国内ニュースメディア複数社での記者・編集者を経験後、独立。ビデオゲーム業界の最新動向をメインに、ニッチな情報を含む幅広いトピックについて配信。