現実的な要素を延長した上で構築された、テクノロジーに物を言わせるような社会。サイバーパンクと称されるこのジャンルは、未来的要素を多分に詰め込みながらも、ディストピア感漂う都市を舞台に、閉塞感を覚える重苦しさを纏って人々が生活していくという、独特の世界観を備えたジャンルだ。そして最近、このジャンルに2つの似たようなテイストのソフトがリリースされようとしている。本記事ではそれを解説しつつ、サイバーパンクの奥深い世界に触れていこう。
- 医療行為はロボットを救うのか「愛とロボット修理技術 All Our Broken Parts」
- ダイアルでロボの魂は癒やされるか「D1AL-ogue」
- 尽きぬサイバーパンクの灯火
医療行為はロボットを救うのか「愛とロボット修理技術 All Our Broken Parts」
一作目は锡鸟 Tin Birdが開発する「愛とロボット修理技術 All Our Broken Parts」というタイトルだ。こちらは発表予定のタイトルながら、Steamページにてデモ版のプレイが可能となっている。同作は完全日本語対応であり、デモ版をプレイした範囲では特に難解な部分は見受けられない翻訳精度だった。


本作ではプレイヤーは医療用ロボット「ルース」として、同じロボット達の動作不良を解決するため医療行為を行う。ルースはオープニングにて重大な医療過誤を起こしてしまい、無名のクリニックへと流される事になる。そこに訪れた一台のロボット「ペペ」は、自動でデザインを起こせるソフトウェアが動作不良を起こしているという。ルースは実績を挙げねばならない状況で治療に当たるが、この治療をきっかけに、過去に左遷された原因となる医療過誤の原因、未知の病と向き合うことになっていくというのが大まかなストーリーだ。
ゲーム中ではロボットに搭載されている視覚モジュールや記憶モジュールにアクセス、あるいは切開などを行うことで治療を進めていくが、この「手触り感」はなんとも生々しい。デモ版は30分程のゲームプレイではあるものの、ロボット相手でありながら罪悪感と背徳感に悩みつつ機能を果たさせる治療を行う行為を描き切る手腕は、サイバーパンクの「影」となる要素を色濃く映し出していると言えるだろう。
ダイアルでロボの魂は癒やされるか「D1AL-ogue」
二作目はCherryPicker開発の「D1AL-ogue」。こちらはKRAFTONが開催しているゲーム開発者育成プログラムThe Jungle Game Labという企画で制作されたインディーゲームの一つであり、制作期間は9週間。同作を含め複数のタイトルが同時公開される事が発表されている。


同作もまたロボット、正確にはアンドロイドを修理する立場としてプレイヤーが存在する。舞台は極夜に終止符を打つ「ポーラナイト・デイ」を1週間後に控えた都市、クロマシティ。太陽が昇らず、人工の光だけが街を照らす街において、プレイヤーはリペアクリニックの店長となり、訪れる客を出迎える。彼女たちは普通の人間ではなく、電子生命体(E.V.E)と呼ばれるアンドロイドとのことだ。診断コンソール「D1AL」を操作して彼女たちの故障したパーツを修理し、それぞれのアンドロイドと交流を深めていく。
本作はいわゆる3マッチパズルの要素を強く含んでおり、同色のパネルを組み合わせていくタイプのゲームだ。とはいえ「広がりゆく電子ドラッグや、爆発寸前のオーバーロードしたユニットなど」という物騒極まりないものが存在するらしく、これを回避しながら必要なタスクをこなしていく形となる。
この作品は2月5日に無料で公開されるため、実際に遊べるのはもうすぐとなっている。日本語についてはインターフェースと字幕の両対応を行っているようなので、すぐにでも日本語環境で遊べるのは嬉しいタイトルだ。
尽きぬサイバーパンクの灯火
他にも発表予定のSukeban Games作「N1RV Ann-A: Cyberpunk Bartender Action」など、今後の発売が期待されているタイトルが多い。サイバーパンクというと兎角銃撃戦やアクション、ハッキングといった要素が強くなるものの、こういった「雰囲気」を味わうタイトルが増える事で、単なる舞台ではなく世界観そのものを味わい尽くす楽しみが浸透してほしい所ではある。
サイバーパンク系ジャンルとして最近話題となったのは、CD Project RED開発のメガヒットタイトル「サイバーパンク2077」だろう。最早言わずもがなの超有名作品となった同作や、ジャンルタグこそ付いていないが擬似的にそういった要素を含む「デトロイト ビカム ヒューマン(Detroit: Become Human)」や、更に遡れば次世代タイトル向け作品としてリリースされ日本語かもされた「Deus Ex:Human Revolution」なども挙げられる。技術が持ち得る先進性と危うさを内包するサイバーパンクの世界観は、タイトルこそ違えど脈々と受け継がれていっている。AIを活用する様になった今の時代こそ、サイバーパンクの作品としての魅力が最大限に輝くときなのかもしれない。
最終更新日: 2026年1月29日 13:45