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ケリ姫スイーツが2026年1月30日にサービス終了へ スマートフォンゲームの終わりの後

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは同社が運営するアクションパズルRPG「ケリ姫スイーツ」について、2026年1月30日(金曜日)12:00をもってサービスを終了すると公式サイトやSNSにて告知した。

 以下は公式サイトの告知文抜粋となる。

 『日頃よりケリ姫スイーツをお楽しみいただきありがとうございます。2012年11月のサービス開始より、多くの皆様にお楽しみいただいておりました「ケリ姫スイーツ」でございますが、この度2026年1⽉30⽇(金) 12:00をもちまして、サービスを終了させていただくこととなりました。

 13年にわたる長い間、「ケリ姫スイーツ」をご愛顧いただきました皆様には、⼼より厚く御礼を申し上げます。なお、サービス終了まで約3か月となりますが、最後まで「ケリ姫スイーツ」を存分にお楽しみいただけるよう、ゲーム内で各種イベントを実施する予定です。』

13年に渡る長期サービスアプリの歴史

 スマートフォンアプリにおいて13年というサービスの歴史は決して短いものではない。先行してサービスを行っていた前作「ケリ姫クエスト -KICKING MY HERO-」は2011年スタートだというのだから更に歴史は遡る。2011年はAppleからiPhone 4S 64GBが登場した以上に、AndroidOS搭載のスマートフォンが雨後の筍のように大量に市場に出回った時期である。当時のAndroidのバージョンは2.3であったが、それを搭載したXperia acro SO-02C/IS11SやAQUOS PHONE SH-12C、GALAXY S II SC-02Cなどスマートフォン人気を牽引するモデルがどんどんと出てくる事となった。そして結果的にそれまでiPhoneユーザーだけが楽しんでいたゲームアプリ市場にAndroidの領域が出現したのである。

 当時のゲームアプリはファイナルファンタジー移植版やクロノ・トリガー、Minecraftなどが先行し、同年9月には同じガンホーのゲームアプリであるパズル&ドラゴンズ(パズドラ)がサービスインしている。そんな中でケリ姫スイーツもサービスをスタートしたのである。本格的にAndroidアプリが盛り上がる2013年以降よりも前の、いわば黎明期にスタートした作品なのだ。同時期に覇を競ったにゃんこ大戦争ともコラボレーションを行うなど、意欲的な運営と何より「蹴っ飛ばして攻撃手段とする」インパクトの強さは唯一無二であった。

 13年という相当に歴史の長いタイトルであるという事は、同時にサービス長期化に伴う新規の囲い込みの苦労が見て取れる程だという事も証明している。後発の新規アプリであればコンテンツそのものが表現などの幅でリッチな要素を実装出来るが、先発するアプリはどうしてもその時代の作風やシステムの枠を超える事が難しくなる。先日発表があった星のドラゴンクエストのサービス終了も、コンテンツの肥大化やシステムの複雑化に伴う新規実装の困難さが苦渋の決断を招く結果となっている。

 そういった意味ではユーザーの入れ替わりが激しいソーシャルゲーム界隈において、これだけの長期間運営を続けるのは非常にレアなケースと言えるだろう。ケリ姫スイーツは今後、サービス終了までにアニバーサリーイベントを行う事を告知している。

ゲームアプリのその後をどうするか

 サービス終了後の大体のゲームアプリは文字通りアクセスが出来ず、タイトル画面もしくはそこに遷移する前にアプリの終了が必要となる。場合によっては提供しているストアからアプリが削除されるといったケースも存在する。そういった中で、幾つかの例外的な方法で内容を継続、あるいは確認する事が出来るゲームも存在する。

 ゲームそのものの継続は出来ないが、今まで集めたコンテンツを振り返る事が出来るのは「デスティニーチャイルド」が有名だ。このアプリはライブラリー版として存続しており、これまでプレイしたデータをサービス終了前に紐づけた上で、再アクセス時にキャラデータなどを見返す事が出来るアルバムとして生き残っている。

 そこから更に踏み込んで、完全オフライン版として「完結済み」の状態を維持した作品も存在する。「メギド72」では全シナリオやキャラクターを実装した上で、一定の移行期間中に事前ダウンロードを行うことで「ほぼ一通りのコンテンツが遊べるオフライン版」がプレイ可能となる。ただしこちらは期間限定となっており、現在ではBGM鑑賞とメインシナリオ閲覧のみが可能となっているため、今からバトル要素も含んだオフライン版を遊ぶことは出来ない。

 もう一つ紹介するのは「ロックマンX DiVE オフライン」というアプリだ。これは元々ソーシャルゲームとしてサービスしていた同名タイトルの作品を、一部のコラボレーション要素などを除いた上で「いつでもイチから順にほぼすべてのコンテンツが遊べる」というほぼ完全なオフライン版として販売を行っているものである。もちろん課金要素についても、だいぶヘヴィではあるがゲーム内にて専用通貨を獲得できるので、引けない事は無い仕様となっている。オフライン版ゲームアプリのほぼ完璧な形の一つといっても過言ではないだろう。

 ゲームがサービス終了するに辺り、その灯火の残し方も千差万別である。願わくは、一つでも多くのゲームが引き続き遊べるようになる事を祈りたい。

Author
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尾崎 信也
1986年神奈川生まれ。ゲームニュースエディター。国内ニュースメディア複数社での記者・編集者を経験後、独立。ビデオゲーム業界の最新動向をメインに、ニッチな情報を含む幅広いトピックについて配信。