株式会社SNKは、SNK格闘ゲームの世界一を決定する「SNK World Championship 2025」について、詳細情報の発表と最終予選のエントリーを開始したことを9月19日に発表した。「SNK World Championship 2025 (SWC 2025)」は、SNKの格闘ゲーム4タイトル、『餓狼伝説 City of the Wolves』、『THE KING OF FIGHTERS XV』、『SAMURAI SPIRITS』、『ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝』を対象種目としたeスポーツ世界大会である。同大会は、2025年10月31日から11月2日にアメリカ・アトランタでおこなわれる「DreamHack Atlanta」内で開催。世界各地域の予選大会を勝ち抜いた招待選手と、SWC 2025内で開催される最終予選(LCQ)の上位選手が、世界No.1の座を競いあう。予選大会も合わせた賞金総額は、$4,100,000以上と相応に高額だ。
SWC 2025はアメリカ・ジョージア州アトランタのGeorgia World Congress Center「DreamHack Atlanta」内にて開催されるイベントであり、入場には「DreamHack Atlanta」のチケット購入が必要だ。また、トーナメントへのエントリーには「3 Day Ticket」の購入および、別途Start.ggへの登録が必要となる。Start.ggにて登録の際、1タイトルあたり登録料$1+手数料が必要になる点も注意が必要だ。大会内で用いられる公用語は英語の為、英語話者もしくは通訳の同行も必要となるだろう。
SNK格闘ゲーム復活への道
さて今や割とメジャーなタイトルとして名前を聞くことになった餓狼伝説やTHE KING OF FIGHTERS、龍虎の拳にSAMURAI SPIRITSといったシリーズ作品だが、格闘ゲームの趨勢と大元であるSNKが辿った道を考えると、ここまでの知名度獲得を果たすまでにはともかく茨の道であった事を知るユーザーもいるだろう。本記事ではそんなSNK再興の道筋も追いかけていく。
1991年、SNKは「餓狼伝説 宿命の闘い」をリリース。ついで1992年には「龍虎の拳」、そして1993年には「SAMURAI SPIRITS」を立て続けに輩出。それぞれのゲームが特徴的な要素を備えており、ストリートファイターⅡの大ヒットに続いて格闘ゲームに新しい風を吹き込むきっかけとなっていた。
餓狼伝説シリーズは、斬新なシステムとして2ライン制という「前後のレーン」を格闘ゲームとして初めて搭載した。当初こそ大味なバランスであったものの、破格のグラフィックの良さとサウンドの質から瞬く間にアーケードでは人気タイトルの一角に浮上。1993年の「餓狼伝説スペシャル」はガロスペとも呼ばれる程に定着し、その人気ぶりからSNKが格闘ゲームの会社であると認知度を上げる一作となった。
龍虎の拳ではユニークなキャラクターと当時驚愕の要素であった、特定の攻撃で倒された際に服が破れる演出、そして「超必殺技」という要素がユーザーの心を大きく惹きつけた。キャラクターや演出、サウンドも質の高い要素として取り上げられ、こちらもSNKの看板タイトルとして大勢。サムライスピリッツは格闘ゲームとしては異色の「武器」に重きを置いたゲーム性が注目され、文字通り「一撃必殺」を地で行く読み合い要素の強さから、こちらも独特の立ち位置を築いてSNKの代表作として名を挙げた。
そこに生まれたのがKOFこと「THE KING OF FIGHTERS」である。SNK社製の格闘ゲームのキャラクターを一つのゲームで戦わせる、今でいう所の「お祭りゲー」に近い要素を自社でやってのけたのである。THE KING OF FIGHTERS ’94がタイトル通り1994年にリリースされるやいなや、あっという間にゲームセンターでの人気タイトルへと浮上。その後も’95、’96と追加要素をどんどん搭載し人気は更に鰻登り。ストーリーでも一つの大きな節目を迎えた’97においては家庭用でも移植作が出る他、シリーズ主人公の草薙京を主役としたアドベンチャーゲームとして「KING OF FIGHTERS 京」なるタイトルが出される程であった。
さてここまで人気を博したタイトルであるが、暗雲は急に訪れた。2D格闘ゲームから3Dタイトルへと人気が移り変わる状況に従い、開発元である株式会社エス・エヌ・ケイの業績は悪化。2000年に発表された「THE KING OF FIGHTERS 2000」稼働の時点で、株式会社プレイモアへと経営が移管される事が決定した。その後同シリーズを始めとして、餓狼伝説・龍虎の拳・サムライスピリッツといったタイトルも長らく雌伏の時期に入る。
転換期は2016年、SNKプレイモアの株が中国企業37Gamesへと渡り、傘下企業となった時だ。中国ではKOFシリーズは連綿と人気が続いており、その後継作の登場も今か今かと待たれていたのである。そこで37Gamesは力のあるIPとしてKOFを始めとしたSNKブランドのIPを復活させるべく、かつての開発担当者などを招聘。企業体制を変えた結果、同社は「株式会社SNK」へと屋号を変える事になったのである。
こうして出発した二代目SNKと前後して、プレイモアは注力していたパチスロ事業を完全撤退。2021年にははサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が設立したミスク財団傘下のElectronic Gaming Development Company(略称EGDC)がSNKの発行済株式の33.3%取得予定を発表。同企業が筆頭株主となっている。つまるところ対戦格闘ゲームの人気は日本国内以上に海外、それも中国や中東といった地域を中心に競技として息づいていたのである。
今回のSNK World Championship 2025は先述したSNKのメインタイトルが揃っての大会となっている。一度は最早舞台に戻ってこないのではないかとすら危ぶまれたタイトルの数々は、今や高額賞金を競い合うイベントの花形として大勢している。往年を知るユーザーも新規にタイトルを知ったユーザーもぜひ、この熱狂に浮かれてみてはいかがだろうか。
最終更新日: 2025年9月22日 13:43