首都高バトル メイン画像

首都高バトルが日本ゲーム大賞2025を受賞 蘇る伝説の走り

元気株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:堀越水軌)は、同社が開発・販売をするレースゲーム「首都高バトル」について、一般財団法人コンピュータエンターテインメント協会が主催する「日本ゲーム大賞2025」において優秀賞を受賞したと発表。同タイトルは以前より早期アクセスとなっていたが、9月25日より正式版が配信開始となる。またホロライブ所属のVTuber「輪堂千速」とのコラボレーションイベントも予定されており、東京ゲームショウ2025にも同社のブースが出展予定となっている。

 今回早期アクセス版がリリース後にSteamにおける販売ランキングにも大きく食い込んだ同作は、元気株式会社における業績をも急速に牽引。早期アクセス版の売上は思った以上に好調であった同タイトルの歴史を追いかけつつ、イベントの出展内容もチェックしていこう。

首都高バトルとは?

 シリーズ第一作の「首都高バトル’94 ドリフトキング 土屋圭市&坂東正明」はタイトルから見て分かる通り、1994年にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたゲームだ。上下に分割した画面方式となっており、いわゆるマリオカートのような画面構成を持つレースゲームであるが、画面の上半分はダイナミックなカメラ視点となっているなどその毛色は少々異なっている。そこから時代を経てPlaystationの頃にリリースされた「首都高バトル DRIFT KING 土屋圭市&坂東正明」では当時流行りの3Dグラフィックを用いたレーシングゲームへと進化。ゲームシステムとしてもリッジレーサーやグランツーリスモといったタイトルに見られるラップ制を導入しており、ここまではまだ良くも悪くも「普通のレースゲーム」としての感が拭えないタイトルとなっている。

 シリーズにおける変化と今作「首都高バトル」にも継承されているシステムが実装されたのが、2001年にPlaystation2で発売された「首都高バトル0」である。これまでレース方式で競われていた内容は大きく変わり、ライバル車へパッシングをしてバトルを申し込む方式となった。このバトルではプレイヤーとライバルそれぞれにSPゲージという気力を表すゲージが存在し、自分や相手のクラッシュ、あるいは一定間隔以上で車間距離をあけられるとゲージが減少。このゲージを0にした側の勝利という、独特なシステムを築くに至った。

 そしてこのバトルについても、首都高の上ならばだいたいどこでも仕掛ける事が可能となっている。そのため、直線距離では強くて勝ち目のないライバルに対してカーブの多い外縁部でバトルを仕掛け、相手が速度を落としているうちに抜き去って勝利するという「地の利を活かしたバトル」が生まれたのである。もちろんバトル中は常にアザーカーの挙動にも目を配らなければいけないため、抜き去った直後に一般車と接触し、あっという間に抜き返されて負けてしまうといった事態も発生する。そういった意味では、この手のレースゲームの中では割とシビアな難易度と言えるだろう。

 2006年7月27日の首都高バトルX(テン)を最後に、据え置き機のタイトルは長らくリリースされず、同シリーズはたち消えてしまったのかとファンが懸念する時期が続いた。開発会社である元気についても、2006年の時点で債務超過となっており、タイトルの売れ行きそのものが宜しく無かったのである。しかし同社は湾岸ミッドナイトシリーズなど、他のゲーム開発を続けながらその機会を待っており、2025年1月に首都高バトル(2025年版)の早期アクセス版がリリースされるやいなや、一気に話題を総嘗めする程にユーザーが殺到。本作品にはキャラクターがシルエットでのみ登場するが、序盤の強敵である「久遠のポラリス」のファンアートなどが多数制作されるという事態にまで発展。こうして18年ぶりの新作は、ユーザーからの盛大な歓迎と熱烈なフィードバックによってその質を高めていったのである。

 同タイトルの最大の魅力として、登場する車種のラインナップとチューニング要素が挙げられる。普通レースゲームといえば、古今東西の速いクルマがラインナップされるが、同作ではなんと「TOYOTA bB 1.5Z X Version (NCP31) ’03」や、「SUZUKI WAGON R RR-DI (MH21S) ’03」など、おおよそ高速走行に適しているか微妙なラインの車両も出場を果たしている。もちろんこれをカスタマイズすれば、俊足なライバル相手には手厳しいがそこそこの相手であればぶっちぎれる程の速さとなる。足回りのカスタマイズ次第で乗り味も大きく変わってくるため、常に最適な設定が模索・共有されているのも同作の特徴だ。

 また今回は首都高を舞台としているだけあって、様々なコースがプレイヤーを待ち受ける。首都高の環状線はもちろん、湾岸線から横羽線まで収録されており、それぞれ全く違うライバルや、そこを根城にしている強力なライバル「ワンダラー」が牙を研いでいる。筆者も早期アクセス版をプレイしているが、横羽線を主軸とするライバルの加速にはどうあっても勝てていない状況だ。もちろんリトライは何度でも出来るので「勝てる筋を見つける」トライアンドエラーのやりやすさも、同作の魅力的な要素と言えるだろう。

TGS2025で高まる首都高バトル体験

 今回のTGS2025では、そんな元気ブースに訪れたプレイヤーにステッカーが配布される予定だ。さらにハンドルコントローラーやアクセル・ブレーキペダルなど本格的なプレイ環境を再現し、ゲームを遊ぶことが出来るという。またブース内にて「重大告知」が行われるとも告知されており、これについてはまだその詳細が伏せられている状況だ。果たしてどんな「魔物」がコーナーを抜けてくるのか、発表までエンジンを吹かして待っていよう。

Author
Image of 川崎 理恵子
川崎 理恵子
1995年大阪生まれ。ゲームニュースエディター。国内ゲーム雑誌の記者・編集者を経て、フリーエディターとして独立。プレーヤーの視点からゲーミングおよびEスポーツのさまざまな専門媒体に配信中。