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Mecha Break、Season2開始前に大規模アンケートを実施 プロデューサーが語る「ブレイク版」への「リミットブレイク」とは

現在Steamにて2025年7月2日より配信中の、近未来SFメカをテーマとしたアクションシューティング対戦ゲーム「Mecha Break」。近日中にSeason2のアップデートと新機体の投入を控えて盛り上がりを見せている同タイトルだが、このタイミングでプロデューサーのKris氏より「S2開幕直前、皆さんと一緒に『Mecha BREAK』の未来をお話したい」という題名でアナウンスがなされ、同時に大規模アンケートのリンクも公開された。この内容について紐解いていくと共に、文中で取り上げられた「ブレイク版」について掘り下げていこう。

目次
  1. Mecha Breakのあらましと魅力
  2. Mecha Breakの人気低下とその理由
  3. 今後来る「ブレイク版」に向けて


Mecha Breakのあらましと魅力

 Mecha BreakはPvP、あるいはPvPvEモードのコンテンツを備えたメカアクションシューティングゲームである。プレイヤーはエースパイロットとしてコロニーに配属されていたが、突如強襲を受け新型機体(メカブレイク)の「龍淵(リュウエン)」に搭乗。追跡を振り切りながら地球に降下し、敵性超大型BS(バイペットストライカー)の「マカルー」と交戦。同じメカブレイクを駆るパイロットが駆けつけ3対1の戦闘となり、見事初戦を制する。その後EICパルスストームという超高密度の嵐が吹き荒れる島「マシュマーク」へ派遣され、その任務を経て正式な実働部隊としてメカブレイクを駆りながら、数多くの戦地へと身を投じるという流れだ。

 本作最大の魅力は様々な機体と爽快なアクション、練り込まれた世界観にある。見るからに硬そうな超重量機体「トライセラ」から、細身の支援機「ルミナ」、量産機に採掘アームを転用した円環状の武装を付けた「ピナカ」にその先行試験機としてロールアウトした「セレニース」など、機体の数を挙げるだけでもきりがない。Season1時点での機体数は17機存在しており、Season2にはここに更に2機が加わる流れとなる。機体の武装やシステムなどは展開時にアニメーションも行う為、その手の描写が好きなユーザーには非常に好ましい出来栄えと言えるだろう。

 世界観についても既存のロボットアニメーション等を参考に重厚な設定が作り込まれており、中でも「どうして対戦モードにおける相手の勢力は、主人公たちと同じ機体を使う事が出来るのか?」という当然発生する疑問に対して「メカブレイクそのものがある程度量産されている上に、相手はその機体を駆り破壊工作を行うテロリスト達である」という設定を用いている。これはメカ系の対戦コンテンツとしてはかなり画期的な理由付けだ。そして作中世界も、そういったテロリストが跋扈する程度にメカブレイクやそれを取り巻く新エネルギーを持つ炭化ケイ素鉱物「EIC(Eruptive Inorganic Carbide:噴出性無機炭化物)」を巡って争いが起きている。先述したEICパルスストームはこのEICを用いた大規模実験の結果生まれたものであり、大気中に満ちたEIC粒子は重度の健康・自然環境汚染につながり、更には太陽フレアにさらされた結果大規模な火山活動を誘発、世界は崩壊に向かいつつあるーーつまるところ、Mecha Breakの世界は半分ポストアポカリプスに近い情勢ですらあるのだ。

Mecha Breakの人気低下とその理由

 さて、これだけ濃密な要素を出されて喜ぶロボット系作品のファンは数多い。ではそのうえで非公式のデータ集計サイトであるSteamDBのデータを見ていくが、開始当初13万人程いたユーザーは、1ヶ月後の8月2日には14000人程にまで低下。ただしこれに関しては話題性から飛びついたユーザーも多いだろうから、サービス開始後に10%はユーザーが残れば御の字であると言えるだろう。2025年9月19日にはシーズン1「蒼碧たる弧光」の配信が開始され、新機体「アルファード」と「ヘル」がお目見えしている。だがこのアップデート前の接続人数は5000人ほどであり、そこから9000人程まで伸びたものの、勢いを盛り返すにはいかない状況だ。そして現在、接続人数は3500人ほどまで減ってしまっている。

 その最大の理由は、対戦バランスの不安定さとe-Sports化を急ぎすぎた事だと言える。先述したトライセラは火力と防御性能が高めの代わりに機動力はお世辞であっても低い機体なのだが、攻撃性能に結構な弱化が掛かり、防御面も一部性能が落とされた結果、特定ミッション以外では活躍の場が無い機体になってしまっている。また格闘武装のみ搭載している「パンサー」は、空戦機体である「ファルコン」「スカイレイダー」そして新規実装された超高速機体「アルファード」についていく事が出来ず、専ら狭所での奇襲以外に本当にやることがない状況となってしまっている。これ以外にも叩けば埃が出る程に、現在の対戦バランスはいびつな物と言える。

 またPvPやPvPvEという対戦要素が絡むコンテンツこそあれど、いわゆる完全一人用の「ストーリーモード」は現状最初期のチュートリアル以外では何も無い状況だ。マシュマークにおけるPvPvEモードである「ストームレイド」を強制的に他のプレイヤーを排除し、自チーム3機だけで出撃できる疑似PvEモードも実装されたが、こちらはややチームプレイ向けの難易度となっている。というのも、通常PvPvEソロモードで出撃した時と比べて明らかに敵の攻撃が強く、敵の耐久度も高いので撃破効率は悪くなるのだ。最初こそ画期的と言われたマシュマークの攻略は、それ以上の革新的アップデートが為されていないのである。

今後来る「ブレイク版」に向けて

 この事態にプロデューサーのKris氏は「『Mecha BREAK』は文字どおり、まさに「ブレイク」する必要があります。現在、シーズン更新を継続しつつ、次の周年記念を目標に『Mecha BREAK』の「ブレイク版」を完成させるべく、全力で開発を進めていきます。そして、PS5をはじめとする新たなプラットフォームへの展開を通じて、もう一度皆さんにお届けたいと考えています。」と文書の中で語っている。

 また「今後、開発チームはこれまで以上にオープンな姿勢で行動し、皆さんと共に動いていくことを目指します。まさに、皆で力を合わせて「リミットブレイク」 の時です。アンケートで挙げられた課題や提案については、内部での検討にとどまらず、今後寄せられるフィードバックとあわせて、皆さんの声も内部の検討に入るよう取り組んでいきたいと思います。また、機会があればS2のアップデート後には、より多様で分かりやすい形で、私個人の『Mecha BREAK』の未来に対する考えを皆さんと共有する予定です。」との文も寄せており、これまで開発チーム側からユーザーに対してのアプローチが薄く、また現状に対する満足度調査を行ってこなかった結果がこの状況を招いたとしている。そのための「リミットブレイク」として開発・運営が一丸となって新しい「ブレイク版」を迎えるための努力を重ねていくというのだ。

 現状Steamの様な大規模プラットフォームですら、ロボ/メカを題材にしたゲームはそう多くない。傑作として取り上げられるアーマード・コア6もその強烈な難易度によりついていけないユーザーが出る程であり、Mechwarriorシリーズはメカアクションというよりはコンバットシミュレータに近く、ガンダムブレイカー4は「カスタマイズ要素は」良いソフト止まりの評価だ。こういったゲームの需要を的確に捉え、そして「足りていないものを埋め合わせてくれる」タイトルであれば、多くのユーザーにとって魅力的なタイトルとして映るだろう。

 今回ユーザーの意見を汲み取る大規模アンケート「理想のメカゲーム」を実施しており、こちらから回答可能だ。ゲームのプレイ履歴は関係なく、どういったユーザーでも回答する事が出来るため、一度目を通しておいて損はないだろう。決して平坦ではない「理想のメカゲーム」を目指すMecha Break。今後ハーフアニバーサリーを経て1周年を迎えるまで、その歩みが止まらぬように期待をしたい所である。

Author
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尾崎 信也
1986年神奈川生まれ。ゲームニュースエディター。国内ニュースメディア複数社での記者・編集者を経験後、独立。ビデオゲーム業界の最新動向をメインに、ニッチな情報を含む幅広いトピックについて配信。