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提供:PLAYISM

『8番出口』の“おじさん”が『8番出口』実況プレイ TGS2025でPLAYISMが見せる流行の突破法

 PLAYISMは9月16日、「東京ゲームショウ2025」にて、映画版『8番出口』で歩く男を演じた河内大和さんをゲストに迎え、PLAYISMブース内のステージ(08-S03)で『8番出口』スペシャルイベントを9月28日(日)15時00分から16時00分まで開催すると発表した。同イベント内では、河内氏がNintendo Switch版の「8番出口」をプレイするコーナーも設けられており、実況プレイに対して期待が高まっている状態だ。

8番出口ってどういうゲーム?

 短編ウォーキングシミュレーター『8番出口』は、とある地下通路を舞台とした作品だ。プレイヤーはこの通路から8番と記載された出口に向かっている最中に、同じ風景が延々と続く地下通路へと迷い込んでしまう。最初に通った地下通路には正常な状態のポスターや、向こう側から歩いてくるおじさんなどが確認できるが、次に通路を通過する際に看板に目を向けると「0番」の表示へと切り替わる。通路内に潜む微細な変化を発見したら引き返し、何の異常も無ければ前へと進んでいくという単純なルールを持った異変探索ゲームである。その異変の種類も分かりづらい些細なものから明確に分かるものまで多岐に渡っており、その総数もかなりの数である。

 この8番出口はそのルールの簡潔さ、明確さ、そして足を止めて異常を確認する「間違い探し」を上手くゲームに落とし込んだ事がユーザーを引き付け、多くの類似タイトルが生み出されるまでに話題となっている。最近では「8番ライク」という言葉まで出るほどの一大ゲームジャンルと化しており、異変探索系のゲームのいわば先駆者としての位置づけを獲得している。先述した「おじさん」は8番出口に出てくる唯一の人間であることから、色々なキャラ付けをされる程の人気ぶりであり、その存在感は類似タイトルに似たような通行人などが出てくる程に強い。もちろんプレイヤーはひたすら通路をマイペースに歩くおじさんの眼の前に立って妨害行為をしてもいいし、今回映画化された同タイトルでは主人公がそういった挙動を取るシーンも確認されている。

 そしてこの8番出口は今回のイベントの主要な要素とぴったりと合致する事でも人気を博したタイトルである。すなわち、実況プレイ文化と相性が非常に良かったのだ。

ながら観出来る実況プレイと「怖くないけれど緊張する」ゲーム性

 8番出口は先述したように、異変を探して進んでいくゲームである。しかし異変が無いのに逆戻りしたり、あるいは異変があるのに前進した場合はまた0番出口からやり直しとなってしまう。8回連続で異変のあるなしを判定するという、ややジレンマを感じる様な人も出てくるゲームでもあるのだ。

 そこにぴったりとフィットしたのが、実況ゲームプレイを行う配信者達の存在だ。主にバーチャルYouTuberを始めとしたゲームに親しい層が積極的にプレイするタイトルとして認知を得たこの作品、実は彼らの得意とする要素が通用しにくい「公平な」ゲームでもあったのだ。なにせコマンド入力や反射神経、見切りの早さといったおおよそ配信タイトルの大勢を占めるアクションやFPSといった要素は必要とされない。むしろ異変をいかに見つけ、判断を下していくのかという観察眼が求められる珍しいタイトルなのである。異変の演出についても、いわゆるジャンプスケアのような「急に叫ばせるタイプのホラー演出」などはなく、ホラーゲーム特有のおどろおどろしさなども存在しない。その為、ホラーゲームが苦手な配信者であっても「話題になっているからやってみよう」という事でプレイ人口が拡大。結果として「神経を使うけれど、針の穴を通す様なゲームであっても、最終的に達成できるまで頑張ってプレイする」という、視聴者ともども配信者の頑張りを追いかける形式の実況プレイが完成したのであった。

 これは8番ライクと呼ばれる類似タイトルにも見られるが、難易度調整としては付随する要素を入れたり、あるいは演出を強化したり、難易度を大幅に低減する様な分かりやすい間違いを仕込んだりと多岐に渡るが、それであっても「クリアさせる」事については妥協のないタイトルが多い事からも分かるだろう。それぞれの作品で異なる演出方法を見比べるのもまた楽しいものである。

 もちろん雨後の筍のように生えてきたこのジャンルに対して、一時期苦言が呈される事もあった。類似タイトルがあまりにも短期間で増えた結果、ゲームの傾向としてそういったジャンルで埋め尽くされてしまうのではないかという危惧が抱かれたのである。とはいえ片手間で遊べてしまうタイトルが好きなユーザーだけでは無い事は自明の理であり、結果として8番出口に端を発した探索・脱出系ゲームへの風当たりは落ち着いたと見て良い状況だ。

 今回のイベントは、メディアミックス作品としては珍しい「映画化された作品の原作をプレイする」という構図になる。このイベントが今後のゲームの他ジャンルへの進出にどのような効果をもたらしていくか、そしてどういう出口へ向かうのかを期待したい所だ。

Author
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尾崎 信也
1986年神奈川生まれ。ゲームニュースエディター。国内ニュースメディア複数社での記者・編集者を経験後、独立。ビデオゲーム業界の最新動向をメインに、ニッチな情報を含む幅広いトピックについて配信。