名作『パタポン』シリーズを手掛けたクリエイター・小谷浩之氏が、同作の精神的続編として贈る新作ゲーム『Ratatan』(ラタタン)の早期アクセス版がSteamにて9月19日に発売されると発表。同作の「精神的続編」とはどういったものであるのかを軽く紐解いてみる事にする。
パタポンとラタタン
パタポンシリーズは、Playstation Portable向けのタイトルとして第一作「パタポン」が2007年12月にリリースされたのを皮切りに、定期的に新作が出ていたタイトルだ。同シリーズは目玉のようなキャラクター「パタポン」が、太鼓のリズムに合わせて指示を送り、味方のユニットをコントロールするというシミュレーションと音楽ゲームの要素を融合させたようなタイトルであった。
Playstationのコントローラーに合わせて操作する事もあって、ゲーム中で使うボタンは○□△×の4つのみ。十字ボタンはカメラの左右移動に使われる。ボタンのそれぞれはパタポンのカミ様(プレイヤー)が持つ太鼓であり、「ポン」(○)、「パタ」(□)、「チャカ」(△)、「ドン」(×)の音が配置される。ステージが進むごとに対応するボタンが増えていき、最初は◯だけであった指示がまとまった「唄」として明確な指示を出せるようになっていく。
登場するキャラクターであるパタポンたちも個性が存在し、また小さなマスコットキャラクターめいて非常に可愛らしさが先立つ造形をしている。彼らが指示を出して歌う「パタパタの唄:パタ・パタ・パタ・ポン(□□□○)」や「ポンポンの唄:ポン・ポン・パタ・ポン(○○□○)」は、設定されている声の可愛さとリズムがとっつきやすい事もあって、本作を知らないユーザーにも口ずさまれる程に流行ったものである。
今回アーリーアクセス開始となるラタタンは、リズムアクションとしての面白さはそのままに、わちゃわちゃとしたマルチプレイ要素をはじめやや高難易度化が図られたタイトルである。その変更点は一部ユーザーから「パタポンの皮を被ったソウルライク」とまで言われる程であった。メーカー側としてはこれに調整を掛け、遊びやすくするとの事である。
もちろんラタタンはパタポンの「精神的続編」であり、「リズムローグライクアクション」をうたうタイトルだ。そのため前作のようなステージ突破型というよりは探索や一期一会的な要素が主軸になると思われる。またユーザーからの声も積極的に取り入れており、今後に向けてのロードマップの発表も行っている。アーリーアクセスはSteamではあるが、今後家庭用タイトルとしての販売も視野に入れているとの事であり、そちらの開発も現在進行中との事である。
同作の注目度は、Kickstarterプロジェクトとしてクラウドファンディングを呼びかけたら48時間で1億円の支援が集まる程と非常に熱が入っている。多くのユーザーに見守られながら、彼らはアーリーアクセス開始の時を待っている状況だ。
精神的続編とリマスターの難しい立ち位置
昨今発売されるゲームの内訳のなかで、リマスターという言葉をよく聞く事はないだろうか。これは発売された作品を新しいハードで発売するにあたり、グラフィックに変更点を加えたり、新たに追加要素を用意したり、場合によっては移植作をそのままプレイできるようにしているというものだ。特に発売から時間が経っており、続編の製作を望むファンに応える形として「あの時遊んだタイトルをもう一度遊べる」というのは、上手い売り方である。
リマスターの内容にも良し悪しはあり、原作のファンから後ろ指をさされたのは「クロノ・トリガー」のリマスター版である。原作にあった表現や内容の移植に対する忠実さが足りておらず、スマートフォン版をベースにしているのかフォントも独自のものではなく現在のものが利用されているなど、その再現度には疑問の声が呈された。
割と高評価な例としては、風のクロノアシリーズのリメイク版の1とオリジナル版の2を一つにまとめた「風のクロノア 1&2アンコール」、最近のタイトルでは移植度の高さが評価された「The Elder Scrolls Ⅳ:Oblivion Remasterd」であろう。もっとも、こちらについてはUnreal Engine5による移植とあって原作よりビジュアルを現代化する事に注力した結果として非常に容量が増えた結果となり、これに関しては賛否両論の声があがっている。
「昔のゲームを今遊べるようにする」「昔遊んだゲームみたいなものを、改めて遊んでいきたい」というのは、単なるシリーズの続編ではなく「あの頃の感動を取り戻したい」という要素が絡んでいる。だからこそユーザーは厳しい評価を下すし、後継作と銘打ったタイトルはなおのこと注目の的となる。今回リリースされた「ラタタン」の今後はリズミカルなものとなりえるのか、その指揮ぶりを要チェックだ。
最終更新日: 2025年9月15日 15:38