Teyon Japan合同会社は9月18日に、Nintendo Switch/PlayStation 5向けSFプラットフォームアクション『スペースコブラ:The Awakening』ダウンロード版及びパッケージ版の発売日決定を発表。ダウンロード版配信日は2025年10月9日(木)、パッケージ版発売日は2025年12月18日(木)。全国のゲーム販売店、ネット通販サイトにて順次予約を開始するとの事である。
この作品のPC/Xbox Series X|S版は、海外パブリッシャーのMicroidsから8月26日に配信されている。そのため一足先にプレイしているユーザーもいる状況で、更に対応ハードを広げての販売となった。ゲームそのものは大味という辛口気味の評価が目立ってはいるが、このゲームについて「そもそもどういうタイトル?新規作品?」と思う方もいるかもしれない。この記事ではそんなノスタルジア香るスペースコブラの謎を紐解いてみよう。
スペースコブラとは
海外にて『Space Adventure Cobra – The Awakening』の製作が発表された時、ゲーマー達は大いに驚き、瞬く間にその話題が駆け巡ったのを見聞きした人はいるだろう。このゲームには明確な原作が存在し、それは今なお人の心を掴んでやまない名作だからだ。ゲームの直接的な引用元として存在するのは、トムス・エンタテインメント…放送当時の名前を借りれば「株式会社東京ムービー」が制作したアニメーション作品「スペースコブラ」である。このゲームはそのスペースコブラの前半部である12話のエピソードをモチーフとした作品なのだ。
スペースコブラは主人公コブラが平凡なサラリーマン、ジョンソンとして記憶を消して生活していたが、とある事から宇宙海賊コブラとしての記憶を取り戻し、左腕に仕込まれた唯一無二の光線銃「サイコガン」を武器に、相棒のアーマロイド・レディと共に宇宙を牛耳る海賊ギルドと戦ったり、あるいは銀河パトロールという警察組織と協力したり、多種多様な冒険生活を繰り広げる「スペース・アドベンチャー」である。なお主人公コブラの全身赤スーツで金髪というファッショナブルなスタイルは、お笑いタレントカズレーザー氏が尊敬し同様のスタイルを徹底しているという裏話がある。
アニメーション作品としては主人公のコブラを演じる野沢那智氏の軽妙かつ絶妙な役どころが大いに話題となり、コブラの快男児ぶりを見事に描ききっている。またアーマロイド・レディ役の榊原良子氏やその他大物揃いの配役と贅沢な色彩で描かれる数々のシーンは、コブラという作品の魅力を惜しみなく視聴者に焼き付けるものであった。アニメーション作品はその後何作か制作されているが、スペースコブラを含めそのいずれもが原作、寺沢武一氏の「コブラ」を元にしている。もちろん原作からして素敵な台詞回しの多い作品であり、ファンの一部からは「男の義務教育」とまで呼ばれる程だ。痛快かつそれでいて「湿り気のない」セリフの数々は、多くのファンを生み出していったのである。
遜色ない声優陣とやや大味なアクション要素
話をスペースコブラ:The Awakeningに戻すと、同作はこういった漫画・アニメーション作品をベースとしたアクションゲームである。長らくゲーム化の機会に恵まれていなかった原作のゲーム化とあって、多くのファンがその出来を期待した所であるが、その期待と不安の一つとして挙げられていたのが声優の存在だ。
日本語の声優として、真っ先に挙げられる「コブラとしてぴったりと一致する」野沢那智氏は既に鬼籍に入っており、若さと円熟に向かう明るさを押し出した二代目の内田直哉氏のようなテイストの声になるのではないかと予想されていたのだ。そこに今回は名村幸太郎氏が選ばれた。FPSゲーマーなら恐らくご存知のボーダーランズ2と3において、キャラクターの一人「Zer0(ゼロ)」を演じているのが同氏である。またアーマロイド・レディには村井美里氏を起用、その他の役も声優を一新させつつ「原作に合う雰囲気の声」を用意しており、同作の本気度が伺えるものである。
アクション面では横スクロール2D系タイトルではあるが、特徴的な要素としてコブラの主武装たるサイコガンの曲げ撃ちといった要素が再現されている。コブラの精神力を用いて自在に敵を撃退するサイコガンの描写をいい形に落とし込んだと言えるだろう。ただし難易度としてはギミックに対処してはトライアンドエラーを繰り返す、死にやすいタイプのアクションゲームである。コブラ自身が不死身のコブラと高らかに宣言するシーンこそあるが、それがプレイヤーの心を曇らせてしまっては本末転倒である。この点において、評価が分かれてしまっているのが実情だろう。
海外からの国内旧IP復活劇
これは完全な余談となるが、今回のスペースコブラのゲーム化をはじめ、海外では「ボルテスV」や「シティーハンター」などの、日本における往年の作品が海外発で新規に作品が製作され、日本国内で再度話題となるというケースは増えつつある。これはひとえにそれらの作品に魅力があり、その上でその作品を忘れず、情熱を持ち続けたファンがいるからこそ可能となったケースである。
スペースコブラ:The Awakeningもそんな声に応える形でファンからの注目を強く集めたものだ。今回再現されたのは前半のエピソードだけであるため、アニメ後半13話分の再現についてもいずれゲーム化される事を期待したい。筆者としては、息を呑むストーリー展開である「ロボットはいかが?」あたりをどう描いていくのかが気になる所だが、いずれにしてもこの流れはコブラ一作という孤独なSilhouetteが佇むだけでは終わって欲しくないものである。多くのリスペクトされたソフトが出た上で、「ムーブメントの始まりはまぎれもなくヤツ」であると話題になって欲しいワガママがあるからだ。
最終更新日: 2025年9月19日 06:57