Cronos: The New Dawnプレイ画面 クレジット:Bloober Team

Cronos: The New Dawn発表、東欧リミナルスペースホラーの味付けやいかに

株式会社セガは、PlayStation®5/Xbox series X|S/Nintendo Switch™ 2/PC(Steam/ Epic Game Store/Windows)用ソフト『Cronos: The New Dawn』のデジタル版を、9月5日(金)より発売開始したことを発表した。また、本作の世界観を凝縮した日本語字幕付きのローンチトレーラーも併せて公開されている。

『Cronos: The New Dawn』日本語字幕付きローンチトレーラー:

 

『Cronos: The New Dawn』とは

「東欧のブルータリズムとレトロフューチャーなテクノロジーが融合した世界を舞台に、プレイヤーは過去と未来を行き来しながら、手に汗握る物語を体験する」との触れ込み通り、PVではいわゆる東欧における近代建築の『ブルータリズム』が強調されている。上の階が下の階より大型で出っ張る構造は、ピッツバーグ大学院やボストン市庁舎といった独特の「威圧感」を与える様式だ。また、リミナルスペースと称される幻想的・退廃的な構造物が林立する空間を散策していく様子が見られる。

 プレイヤーは謎の組織「コレクティブ」に雇われたトラベラーとして、クリーチャーがはびこる荒廃した未来の世界を探索し、1980年代のポーランドに転送するタイム・リフトを発見することが任務となるとの事だ。過去に起きた大惨事を目撃することになるプレイヤーの選択が、物語の結末を左右するという。

 敵として出てくるクリーチャーは、ただ倒されるだけでは終わりではない。周辺の死体とグロテスクな「融合」を行い、より速く、より強く、より危険な存在へと変貌を遂げる。「オルファン」と呼ばれるこの存在は、PV内にて二倍以上の体躯に急速に膨れ上がる様子が見て取れた。荒廃した世界で手に入れることができる、限りある弾薬や物資を駆使し焼却しない限り、進化し続ける敵との闘いは避けられないという。本作においてはこの「焼却」という要素が大きなウエイトを占めそうだ。

 作品の目標として終末世界で命を落とした重要人物を探し出し、強力な「ハーベスター」を用いて、彼らから「エッセンス」を抽出し、未来に連れ帰ることも重要な任務の一つであるという。しかし、エッセンスを多く運べば運ぶほどスーツの呪いは強まり、戦場での腕前は上がる一方で、ささやき声が聞こえたり、視界にちらつきが見えたりと、精神は徐々に狂気へと侵されていく。

 作品PVでは腕に装備するレトロフューチャーな多機能ガジェット、不気味な半球状の頭部を持つスーツ、「天命」という用語などや使命を遵守する様子など、宗教観を確立させながらも全編にわたって濃密なサイコホラー体験ができそうな状況が待ち受けている。

Bloober Teamが手掛ける珠玉のホラー体験

 今作で開発を手掛けるBloober Teamは、約250名のスタッフを擁する独立系ゲーム開発スタジオだ。2008年にポーランドのクラクフで設立された同社は『Blair Witch』、『Layers of Fear』、『Observer: System Redux』、そして2021年のDigital Dragonsにてポーランド年間最優秀ゲーム賞を受賞した『The Medium』など、高い評価を得たホラー作品で知られている。
しかしそれ以上に日本のユーザーにとって馴染み深いであろう一作は、リメイク版『SILENT HILL 2』であろう。

オリジナル版は2001年9月に発売されており、コナミが手掛けた同作は一作目の『SILENT HILL』同様に高い評価を受けていた。昨今2極化するリメイク作品の評価であるが、Bloober Teamが勝ち取ったのは非常に良作であるというホラー作品に対する解像度の高さを裏打ちするものであった。

そんな同社が手掛ける本作は、ガジェット付きスーツという一見すると鉄壁の装備に身を包みながらも、自身と周囲を苛んでいくおぞましい要素を乗り越えていくスタンスだ。ホラーゲームとしては金字塔である「Dead Space」シリーズになぞらえる声もあるが、あちらでも人類を苗床として増え続ける未知の知的生命体が脅威として立ちはだかる。そのうえグロテスクな要素も共通項として挙げられるため、本作に寄せられる期待も大きいものと推察される。

 発売直後から高い評価が続々と投稿されている本作だが、日本語環境においてはアイテムである音声ログを取得した際にフリーズするバグやエリア移動時のフリーズバグなど、いくつか最適化不足である点も散見されている。メーカー側からのパッチ対応については現時点で未定の為、音声ログをすぐに停止させるかもしくは英語環境でのプレイがユーザー間では推奨されている事は頭に置いておくと良いだろう。

Author
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崎山 郁美
1996年兵庫生まれ。ゲームニュースエディター。国内エンタメメディアの編集者・記者を経て、独立。PCゲームやモバイルゲームの海外ニュースやトレンドを中心に日本の読者向けに発信中。