FGO PROJECT(有限会社ノーツ、株式会社アニプレックス、株式会社ラセングル)は、スマートフォン向け FateRPG『Fate/Grand Order』にて、期間限定イベント「失われた創世(ヴァニッシュド・ビギニング) 未来からの方舟」を 2025年9月5日(金)20:00から開幕すると発表した。

Fate/Grand Order(以下、FGO)はスマートフォンで展開するコマンドRPGであり、登場するシナリオやキャラクター、声優なども含めて高い評価を得ており、2025年7月30日にてサービス10周年を迎えるゲームである。そんな中で同社が今回開催したイベント中に起きた一幕を紹介する。
レイドイベントで起きた「力の増大」
今回はシナリオの開放が9月6日18時から行われ、開放分を最後まで進行すると、2025年9月7日(日)18時以降に開催される「レイドバトル」(今回のイベントでは『ノアズ・アーク対艦戦』)へと参加が可能になる。これは昨今色々なゲームでも行われている、多くのユーザーが協力して強敵を討伐するというタイプのコンテンツだ。FGOでは一つの敵を多くのユーザーが討伐するのではなく、設定された敵を全プレイヤーで規定回数倒す事を目的としたシステムとなっている。
今回のレイドで設定された敵の撃破必要数は「2000万体」。目的となるクエストは難易度が分かれており、5種類あるクエストはどれか一つでもクリアすれば「1体撃破した」とカウントされる。難易度が高くなればなるほど得られる報酬も多くなるが、クエストに登場する敵の強さも上がっていき、討伐に必要な時間も長くなっていく。このクエストを全プレイヤーの総力をあげてクリアする…というのが当初予定されていたものであった。
もちろん日曜日の夕方〜夜という比較的ユーザー数が多い時間帯であったことも加味する形ではあるが、このイベントの参加条件は、現在FGOにて実装されているコンテンツの終盤部分付近までの攻略である。つまるところ、ほぼエンドコンテンツ付近にたどり着いたユーザー向けのものであり、ゲームを始めたてのユーザーが一朝一夕に参加できる代物ではない。だからこそ、早々にこの数が尽きることはないと思われていた。
しかしこのクエストが開始された後、急激な勢いで討伐対象が狩られていく事態が発生。それもそのはずであり、FGOは過去に行われた同様のイベントであっても、膨大な討伐回数や総体力が設定されたエネミーをことごとく食い尽くしている。この手のイベントでは最初に実施された「冠位時間神殿ソロモン」における強敵討伐イベントにおいても、膨大な討伐数が設定されていた相手に対し12時間掛からずに枯渇寸前まで追い込むという討伐ぶりを見せつけている。その光景は「殺したかっただけで死んでほしくはなかった」という物騒極まりないパワーワードまで生む始末である。
本イベントにおいてもこの悪食さとまで呼べるユーザーの群がりようは健在であり、みるみるうちに残存討伐数は減少。その後9月7日(日) 23:15頃に「力の増大が発生」とアナウンスされ、討伐数が700万体追加と大幅に増やされる形となった。しかしこれもまた狩り尽くされそうになり、9月8日(月) 07:20頃、500万体が追加された。この時点で既に3200万体という数であるが、それでも討伐の勢いは止まらない。9月8日(月) 11:25頃、300万体追加されたがそれでもユーザーの勢いは止まらず、14:25頃にレイド戦終了。ストーリーの進行も解禁されたが、イベント開始から20時間程で3500万回クエストクリアが達成されたという事になる。ユーザーもこのイベントに対し最適解となるユニットの選別を進め、知識の共有を積極的に行った事で1日も保たない状況が作り出されてしまったのだ。参加していた身からすれば、みるみるうちに必要討伐数が減っていく様子は爽快感とともに恐ろしさも感じさせるものであった。今回の討伐対象についても、得られる戦利品が割と有用なものであった事も狩り尽くされる一因となったと見て良いだろう。
レイドコンテンツの調整の難しさ
今回のイベントでは何度も必要討伐数の追加が行われたにもかかわらず、1日も保たずにやられてしまうという大盛況ぶりを見せる形となった。「多数のユーザーとともに強力な敵と戦える」という要素はストーリーの盛り上がりとも紐づく。これはいわばリアルタイムで盛り上がれる「お祭り」に近いものである。しかしその一方で「イベントに参加できなかった」「一休みしていたら終わっていた」という感想も散見された。諸用があって参加できなかったり、久々に復帰をしてみたら参加条件にたどり着けていない状態でイベントの進行を見守るしかないという状況であれば、それだけでプレイを続ける意欲が削がれるものである。まして有益なイベントとあれば尚更である。
とはいえ誰でも参加可能な条件設定にしてしまうと、イベントで出てくる敵の強さの基準や必要とされるストーリーの前提となる情報の共有などが、運営側の意図したとおりにはならないというジレンマも存在する。間口を広くすればするほど、いわば「反比例する」状態に陥ってしまうのだ。今回のイベントであれば、物語の最終盤に向かっていく熱意のあるユーザー向けのものとして用意したのだろう。ある程度必要な理由付けをした上で討伐回数を増やしたのも、当初の予定より早いペースで進行されてしまったのではないかと思われる。それでも、重要な役目の相手だけあって、流石に開始から24時間は保ってほしかったものである。
こういった期間限定かつ特定のタイミングに集中しなければならないコンテンツは、コンテンツそのものに「かじりつく」必要があり、そういった意味ではある種古くから続くMMORPGのボス戦の様な趣がある。もっとも、このコンテンツは大まかな開催スケジュールについて予告されていた為、そういった点では完全ランダムなタイミングで出現するものではないのがまだ救いではある。とはいえ、タイムパフォーマンスという言葉が生まれるくらいに過密なコンテンツにみちみちているのもまた現在のユーザーが抱える状況だ。ユーザーを取りこぼす事がないような工夫が求められる段階に来ているのは、明らかだろう。
最終更新日: 2025年9月10日 10:23