任天堂は9月15日、同社が11月20日に発売を予定しているNintendo Switch 2用ソフト「カービィのエアライダー」について、公式番組「カービィのエアライダー Direct」のPart2を配信予定であることを、公式Xで改めて告知した。
同配信で紹介されている「カービィのエアライダー」は、前作「カービィのエアライド」の後継作である。前作は2003年7月11日に任天堂より発売された、ニンテンドーゲームキューブ向けのアクションレースゲームだ。純粋なレーシング要素の高さがもとより注目されていたが、同社の看板タイトルの一つとして出ているマリオカートシリーズの中でも当時新作であった「マリオカート ダブルダッシュ!!」の発売前、加えてF-ZEROシリーズの新作はアーケード向けという事もあって、任天堂ユーザーのレースゲームに対する日照りの状況が続く中での発売となった。
前作はそれまでのレースゲームに求められがちであった操作の煩雑さを避け、それでいてレースゲームとしての「エアライド」の他に、広大なフィールドでプレイヤーが定められた時間で自分を強化し、その後別マップで鍛えた相手と競い合う「シティトライアル」という要素が用意された。これは昨今ではPUBGをその走りとする「生き残りサバイバル系」に非常に近いものであり、それをこの段階でアイディア化し実装したのは先見の明があると言っても過言ではない。
もちろんこのシティトライアルは発売直後から大きな話題となり、これまで腕と操作感覚のみに頼っていた「レースゲーム」のあり方を変えるものであった。マルチプレイによる対戦要素としてはマリオカートシリーズのバトルモードも挙げられるが、あちらがキャラクター性能差を覆せず強化要素もアイテムに依存するというマイナス面を抱えていた所を、フィーリングに任せたプレイである程度なんとかなるという新しい遊び方を見出したのが同作品の大きな特徴だ。そのためカービィのエアライドは続編が待ちに待たれたタイトルであり、先日のカービィのエアライダー発表の際にはなんとNintendo Directではなく「カービィのエアライダー Direct 2025.8.19」とタイトルまで半ば入れ込む形で発表が行われた。なお同ライヴ配信の現在の再生数は4,580,423 回視聴となっている。先日9月12日のNintendo Directが756万回視聴という事を考えてみても、おおよそその半数以上に相当するだけのユーザーを、単独タイトルが惹きつけたと見ていい。
これだけの再生数をゲーム会社の1タイトルが占めるのは相当なものだ。オフィシャルトレーラーとしては古いタイトルのリマスター版として出てきた「Oblivion Remasterd」のトレイラームービーが354万再生を記録している。しかしこれはあくまでトレイラームービーであって、制作者がゲーム内容やあらましについて語るタイプのものではない。そういった目で見れば、このタイトルの魅力の強さというものが改めて分かるはずだ。
ゲーム会社が配信を行う理由と必要性
SNSが流行の波に乗る前はどのような媒体でこういった情報が伝わっていたのかというと、例外的に任天堂が一社提供番組として「スーパーマリオスタジアム」というテレ東系テレビ番組を放映していた時期があったが、おおよそはゲーム雑誌に掲載されるものが大半であった。そのため情報の提供が行われるにあたっては、メーカー側が必要な情報を雑誌側に開示した上で、特集を組んでもらい掲載されることで認知を図っていたのである。
しかしSNSが出てくると、このフィルタリングは機能しなくなっていく。メーカーから選別された「公開可能な情報」ではなく、株主総会などで発表された「断片的な情報」、あるいはユーザー側がありもしない「予想だけで構成された情報」をあたかも公式が発表した正確な情報であるかのように喧伝する事態が発生するようになったのである。
これに対して任天堂は対策に乗り出した。これまでゲーム雑誌に情報を載せるという路線を継続しながらも、メーカー側から発表できるタイミングで「正確な」情報を出す窓口を作り、ゲームソフトに対する透明性を確保するようになったのだ。これはいわゆる「リーク」で情報を抜かれ、その上で提供された情報がソフトウェアや企業の評価を下げている事態に対しても一定の効果を齎している。つまるところ「後々変更される事もある、現時点ですっぱ抜かれた不正確かつ出どころが怪しい『汚れた』情報」ではなく、「メーカーから正式なタイミングで発表される『問題ない』情報」をユーザーが選択するようになるのだ。
こういったゲームパブリッシャーが公式の配信を行い、正確な情報発信に努めるという流れは徐々に伝播しつつある。一例を挙げれば、カプコンが自社のゲームを紹介するカプコン公式WEB番組「カプコンTV!!」などである。
これまで以上にメーカー側は情報発表と保全に気を遣わなければならないが、それ以上にその情報を取捨選択するのはユーザーに委ねられている。こうした気風が定着してきている以上、歓待をもって新しい発表をエンジン全開で待ち望むのが「完全勝利」の秘訣だろう。
最終更新日: 2025年9月15日 13:50