ネットマーブルは、開発中のマルチプレイ型オープンワールドRPG『七つの大罪:Origin』(開発:Netmarble F&C Inc.)において、Google PlayおよびApp Storeで事前登録を開始したと発表。これは全世界を対象としており、リージョンによる制限などは設けられていない。『七つの大罪:Origin』は、現在、PlayStation®5(コンソール独占)、Steam(PC版)、および公式ブランドサイトなど、すべてのプラットフォームでの事前登録を受け付けている。また、ウィッシュリストへの追加も可能となっている。
同作は鈴木央による日本の漫画作品「七つの大罪」をベースとしたゲーム作品であり、広大なフィールドを自由自在に冒険する事が可能なオープンワールドRPGとなっている。同じネットマーブルが運営する、同作品をベースとしたコマンドRPG「七つの大罪 ~光と闇の交戦(ひかりとやみのグランドクロス)~」の後継作品として設定されており、前作主人公たちの息子が主役となるマルチバース作品であるとの事だ。
公式サイトや公開された新規PVでは作品の主だった要素として、トゥーン調で描かれたキャラクターが縦横無尽に走り回り、強敵と交戦する様子が見られる。冒険の舞台になる世界の情報もいくつか公開されており、本格的な作り込みである事がうかがえる。また、公式サイトでは現在クローズドβテストの参加者募集を行っており、登録すると非公開テストなどの招待が寄せられるとの事である。興味のあるユーザーは登録してみると良いだろう。
とはいえ、行く先はやや手厳しい道になる可能性も存在している。
前作がある上での次作というユーザーにとっつきにくい情勢
昨今のスマートフォンタイトルではたまに見られる話であるが、漫画やアニメ作品を元にしたゲームタイトルが、同一もしくは別のパブリッシャーから複数リリースされるケースがある。例えば「ソードアート・オンライン」をモチーフにしたゲームアプリは2つあり、前作である「ソードアート・オンライン ヴァリアント・ショウダウン」は2025年10月30日でサービス終了予定となり、後継作として「ソードアート・オンライン インテグラル・ファクター」が用意されている。また同じくバンダイナムコゲームスではあるが、ドラゴンボールやアイドルマスターといったタイトルもシステムを少しずつ変えながら、複数作品が林立している状態だ。
この場合、だいたいは古いゲーム側でプレイして得た諸要素は新しいタイトルへと移行する事が出来ない。そのため、新しいタイトルにおいてはまっさらな状態からスタートする。もちろんジャンル違いのゲームであれば要素の引き継ぎなどは行えないのが常であるが、仮にも出典が同じ作品の違う種類のゲームタイトルとあって、その辺りで一騒動起きてしまうのではないかという懸念は存在する。まして、現在サービスインしているタイトルがサービス終了へ踏み切ってしまうのではという悪い予感を払拭しなくてはならないのだ。
アクションゲーム飽和時代とプレイ時間問題
そしてここからが更に厳しい状況を裏打ちするものであるが、本作はPVを見た所「キャラクターを動かして攻撃や特定のスキルの様な強力な技を使い、強敵を撃破する」という内容が描かれている。これについて、昨今スマートフォンで展開されるアクションRPG系タイトルとほとんど変わりばえしない内容に見えてしまう。具体的に言えば「原神」やそれに追随して現れたアクション系タイトルによく似ているのである。
3D探索という要素が主軸であるならば原神や幻塔、鳴潮、あるいはコード:ドラゴンブラッドやアース:リバイバル、クリスタル・オブ・アトランといった自由度の高い探索・冒険要素のあるオープンワールド要素を備えた強力なタイトルがライバルとなる。これらのタイトルを後発IPが抜き去るのは、この手のジャンルが飽和状態になりつつある中ではかなり手厳しい状況だ。
加えてユーザーの嗜好もこの手のゲームからやや離れつつある。本日時点でのGoogle Play Gamesのセールスランキングでは、この手のオープンワールドかつ探索要素を備えた作品はトップ10入りを果たしていないのだ。もちろんアップデートや大型イベントがあれば変動することはあるが、「一部が」オープンワールドであり基本はオープンフィールドといって差し支えないゼンレスゾーンゼロが第10位と、なかなかに手厳しい状況だ。
この手のアクション、探索系要素の強いゲームの常として、ゲームプレイ時の操作量が多く、それでいて一回のプレイに掛かる時間も早々に長い。クエストでの2点間の移動やそれに伴う戦闘、目標の達成に掛かる時間を考えると、なかなか短時間でお気軽に出来るものではなく、しっかりと腰を据えてプレイする必要に迫られるタイトルが目立つ。具体的には乗車時間10分程の満員電車の中で立ってプレイが出来るかといえば、バランスを崩すと一気に想定したプレイフィールがどん底に落ちてしまうのが常である。
ユーザー全体がより短時間かつお手軽に出来るゲームを求めるようになり、かつてスマートフォンで原神が出た頃の「意欲的な大作」が求められにくくなっているのは、コンシューマ・PC向けタイトルがより円熟した長時間プレイ出来るタイトルを求めていくのとは真逆の道筋に見える。だからこそ、今回発表されるタイトルがどこまで魅力的かつ既存の市場に強く食い込み、ユーザーを喚起できるのかという点は注目に値する。キャラクターゲームだからと揶揄されるものではない、本格的なゲーム体験を得られるように期待したい所である。
最終更新日: 2025年9月11日 08:15